b.スターリングエンジンの形式
スターリングエンジンは、複数のピストンと3種類の熱交換器(ヒータ、クーラ、再生熱交換器)によって構成されるため、これらの配置などによって様々な型式があるが、実用的なエンジンとしては、主に以下の3種類に分類される。
(a)ディスプレーサ型
(b)2ピストン型。
(C)複動型
ディスプレーサ型及び複動型については、既に前記にて紹介した通りである。2ピストン型については、基本的にその作動原理は複動型と同じであり、大きな分類としては複動型に含まれる形式である。(ここでは、2ピストン型に対し4つのピストンを使用した形式を複動型と分類した)
(a)のディスプレーサ型は、ディスプレーサピストンの上下連動により、ピストンの上下空間の温度を変えて系内の圧力を変化させる方式であり、ディスプレーサの上下の圧力は等しい。したがって、高性能シールが装備され荷重を受けるピストンが一つだけですむため機械効率が高く、数kW以下の小出力用エンジンに向いている形式と言える。
(b)の2ピストン型は、前記ディスプレーサ型のディスプレーザシリンダ
の役目を膨脹・圧縮の二つのシリンダに振り分けたものである。このため、ディスプレーサ型よりコンパクトになる利点はあるが、膨脹ピストンと圧縮ピストンの両者に荷重が掛かるため、機械効率の点でディスプレーサ型に比べやや不利であり、エンジンとしては10kW前後の中出力向きと言える。
(c)の複動型は、2ピストン型を4台結合したものに相当するが、2ピストン型とは異なり各ヒストンの上下の空間を使うため、単純に結合した場合に比ベヒストン数が半分になり、対象性の高いレイアウトにすることもできる。トルク変動が極めて小さいという利点もある。また部品点数が多くなるため小出力の小型エンジンとしては、製造・メンテナンス等困難となるため数十kW以上の高出力エンジンに適している。
スターリングエンジンの代表的な形式分類の一例を表3.1.1-2に示す。
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